日本人を愛してくれる外国人

 

お正月に録画した番組「ドナルド・キーン先生日本人となる~その半生に込められた日本への思い~」を見ました。(BS-TBS 2013年1月4日アンコール放送)

 

2年前、東日本大震災・津波・福島の原発事故の後、多くの外国人が次々と日本から脱出するなか、アメリカ人のドナルド・キーンさんが日本国籍を取得し日本に永住するという報道に、私も含めて、日本人がどんなに勇気づけられたか。

 

ドキュメンタリー番組の冒頭、羽織袴を着て日本でお正月を迎えられたことを子どものように喜んでいるキーンさん。

日本や日本人のことが大好きで、多くの日本人に親切にしてもらったことを感謝していると。キーンさんを見ている私もうれしくなりました。

 

狂言の一節を朗々と謡うキーンさんを見て、フェルデンクライスのミア・シーガル先生の姿が重なりました。

 

ミア・シーガル先生は私が昨年、タイとドイツにセミナーを受けに行ったフェルデンクライスの先生です。40年前、日本の文化や思想に憧れ、家族4人でイスラエルから日本に来て3年間滞在。その間、「日本人のように」暮らしたそうです。講道館で柔道を習い(黒帯取得)、大蔵流の能を学んで伊勢神宮の舞台にも立ったとか。

 

ミア先生が本当に日本や日本人を愛している、という話はそれまでにも聞いていました。

ドイツのセミナーの休憩時間、一緒にお茶を飲んでいるときにミア先生がしみじみと、「私は日本人になりたい。でも今生はだめね。たぶん来世で、ね」と言ったのが印象的でした。

 

また、ミア先生が実習中の生徒の様子を見回る間、ほとんどがヨーロッパからの生徒の中で、数少ない日本人の生徒のところへ来たときには、いつもは英語なのに、そのときばかりは日本語で「ゆーっくり、ゆーっくり」「そろーり、そろーり」と声をかける。それが、“あぁ日本語を使いたくて仕方がないのだな”、と微笑ましかったです。

 

そのミア先生が、娘のレオラ・ガスター先生とともに、今年やっと日本に来られるようです。(先生本人はずっと来たがっていたけれど、高齢でもあり、まわりがそれを許さなかった模様)

 

日本を愛してやまない90歳のドナルド・キーン先生と82歳のミア・シーガル先生の対談が実現したら、どんなに二人で盛り上がるだろう、と想像して楽しくなりました。