私とフェルデンクライスの小さなストーリー (2013.3.19)
大学院を修了後、「声のための体の使い方を学びたい」と思ってボディー・ワークを探しました。すでに、有名なボディ・ワークであるヨーガや太極拳はもちろん、アレクサンダー・テクニークも個人レッスンを受けたことがあります。
そんなとき、たまたまインターネットで見つけたのが、フェルデンクライス。名前を聞いたこともありませんでしたが、なぜか興味を惹かれました。
もう1つ、当時私の好きだった声楽家の先生が資格を持っていた、あるボディ・ワークにも興味があって、どちらを選ぶか迷っていました。結局、資格を取るのに10倍くらいのお金と時間がかかるフェルデンクライスを選ぶことに・・・。
運よく、その年(2007年)から西日本で初のフェルデンクライス・メソッド指導者養成コースが開講されることを知りました。国際的に活躍する一流の先生が来日して教えるといいます。「どうせなら、最初から一流の先生に教えてもらいたい」と、フェルデンクライスがどんなものかも分からないまま(ネットで読んだだけではさっぱり分からない、というのは誰でも経験したことでしょう)、とにかく、翌月の8月1日から始まるコースに、とりあえずビジターとして参加することにしました。
とはいえ、まったく経験したこともないまま、いきなり一流の先生のコースに参加するのもどうかと思い直し(ビジターでも受講料1日14,000円)、その前に一度、カルチャーセンターのフェルデンクライスの体験レッスンに参加することにしました。
・・・・・・やっぱりよく分からなかった。
レッスンの最後で「どんな感じですか?」と尋ねられても、「だから何?」という感じ。このことは、初めて私のレッスンに参加された方には、たいていお話ししています。(無意識に力が入ったままなので、変化に気づけないほど体の感覚が鈍かった、ということ。)
1回の体験レッスンでは変化も効果も感じないまま、いよいよ8月1日から、指導者養成コースにビジターで参加。
・・・・・・やっぱりよく分からなかった。
とりあえず最初の5日間、と思って参加した5日間が終わっても、よく分からず。結局そのセグメントの14日間、通してビジター参加。
でも、私にはよく分からないながら、「何かすごそうだ」という気がしていました。先生のデモンストレーションを見たり、他の参加者のコメントを聞いたりしていると。
そして、よく分からないまま、指導者養成コースに正式に参加することにしたのです。
2週間通しのセグメントを1年に3回×4年間、神戸市西区から京都市内まで通いました(電車を4つ乗り継ぎ、往復5時間)。われながら、よく通ったものだと思います。
ずっと以前に古本屋で、背表紙のタイトルに惹かれて購入した本、『心をひらく体のレッスン』。読みもせず本棚に置いていたその本が、実はモーシェ・フェルデンクライス(フェルデンクライス・メソッドの創始者)の著書だったことに気がついたのは、指導者養成コースの2年目か3年目のころ。
お馬鹿な話でした。
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